西中VOICE

敬語は何語?

人称代名詞の多様さや敬語に象徴されるように、日本語は社会的文脈の言語である。

その個性こそが、この国の今を作り上げてきたし、これからも世界をリードするというわけではないにしろ、「一目置かれる存在」であり続けられるであろう。

 

大学入試のための面接練習の際、「貴校は・・・」から始まる生徒たちの敬語は、彼らにとってまるで外国語、それどころか宇宙語かのごとき様相である。

英語ができない人間は、国際人の資格がないかのごとく、必修科目としての開始年齢を早める。仲間内での「オレは・・・」は問題ないにしても、面接では「私は・・・」となるはずの一人称が、すべて ‘I’で表現されることのリスクにあまりに無頓着な意思決定である。

コミュニケーション能力とは、お互いの意見を交換できる場作りが第一義であるはずなのに、自分の言いたいことを声高に主張することのみが正しいとされる。

 

「言語」の授業は、こういう世の中の流れにくさびを打ちたい、という願いが込められている。

(教員WT)





























































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