西中VOICE

「探究的」読書=「目的ある読書」 その1

困ったときのアドラー3年生言語の授業で現在取り組んでいるのが、「目的ある読書」です。これは(1)「知りたいこと」を明確にしてから、(2)本を読むという方法です。読むだけでなく、その読み取ったことを、(3)マインドマップに描く(4)600字ほどの文章にまとめる(5)クラスメートにプレゼンする、という3つのアウトプット(表現活動)も含んでいます。
「知りたいことを明確にする」ということは、実は非常に重要な過程です。普通読書と言えば、小説などの物語を読むことが多いと思います。その過程を楽しむのが、小説の読書です。それに対して「目的ある読書」は岩波ジュニア新書などの説明的な文章を中心にした本を対象にします。
生徒たちは、図書室で自分の読んでみたいなという本を選び、目次を見たり、内容をぱらぱらを開いて気になる単語を拾ったり、気になる文を見つけたりします。その上で、質問をいくつか考えます。そんなことをした上で、この本で最終的に「知りたいこと」は何かをはっきりさせます。それをことばにまとめます。
実は、この過程が読書の質を決めるほんとうに大切な部分だと考えています。その生徒にとってほんとうに知りたいことであれば、必ず真剣に読みすすめることができるからです。

今年の3年生の「読む目的」を少し紹介します。

・「自分の短所はどうすればいいのか」(『困ったときのアドラー心理学』)
・「なぜ砂漠化が世界で起きているのか」(『砂漠化ってなんだろう』)
・「長い間記憶しておくには?」(『脳をやる気にさせるたった一つの習慣』)
・「クローンを作るメリットとデメリットを知る」(『クローンの世界』)
・「オウム真理教に心を傾けた科学者はどのような人か。また、どのようにだまされたのかを知る。」(『だます心 だまされる心』)
・「オーロラを知る」(『天文学入門 星・銀河と私たち』)

天文学入門さまざまな分野に生徒たちは挑戦しています。
知りたいことをはっきりさせて読むので、生徒たちは漠然と読むのではなく、集中して読書に取り組みます。また、その本をすべて読まなくても「知りたいことが分かれば、よい」ともします。

この読書は、まさに「知りたいこと」を求めて読書する、つまりは「探究的読書」だと考えています。





























































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