西中VOICE

明日は8月15日

某テレビ番組を見ていた時、街を行き交う若者に「8月6日は何があった日かご存じですか?」とインタビューする場面がありました。同様の質問が、8月9日、8月15日についても繰り返されました。もちろん、テレビ側も番組構成上そういう取り上げ方をしたことは否めませんが、その誤答の多さは衝撃的でした。

私自身、戦争を知らない世代です。しかし、戦時下や終戦後のことを話してくれた人が身近にいました。父母は小学校低学年の時に、祖父母は20歳後半から30歳前半という人生の中でも輝かしい時期に戦争を経験しました。

個人の気持ちはもとより命さえ尊重されなかった時代、食べる物にも苦労した時代…、祖父母や父母の口から出る言葉から当時の悲惨さがひしひしと伝わってきました。自分がいかに幸せかと、子供ながらに感じたことを覚えています。

実体験が伴わないものは、心に刻まれないものです。しかし、たとえ体験していなくとも、体験者の言葉に耳を傾け、心で感じるよう努めたら、体験者の顔や言葉が心に刻まれるものです。

ただ、当時を知る語り部はかなり高齢になっています。この機会に自分から新聞やテレビなどの報道や特集番組、戦争を題材にした映画や小説などに目を向け、耳を傾けてみたいものです。映画や小説には架空の部分もありますが、当時を想像するには十分です。

明日は終戦の日。

自分のこととして想像してみる、自分の家族のこととして想像してみる。自分の大切な家族が自らの命を捧げて帰らぬ人となったとしたら、空襲で焼かれたのが自分の家だったら、そこに自分がいたら、それが自分だったら…。

「戦争を繰り返してはならない」、それを胸に刻む日が8月15日ではないでしょうか。

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